RFIDの大きな可能性と将来性への挑戦
流通の分野などで活用が進んでいるRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」)。その可能性の開拓は他の分野でも様々に試みられています。当社では建設分野での活用から、この新たなフィールドへの挑戦を開始しました。
語り手:
システム開発本部第二事業部マネージャ 関根和之
-RFIDに取り組むきかっけは何だったのでしょう。
2005年後半に発覚した耐震偽装問題等により、建設の耐震性能など、構造部材への信頼性を証明することが建設分野に対し、社会的に求められるようになってきました。そこで、建築物の構造部材として最もよく利用されている「生コン」の品質管理に「ICタグ」が利用できないかというテーマが浮上してきました。当社は、この試みに取り組もうとしていたベンチャー企業や生コン業者、大学などとの共同研究開発という形でスタートを切りました。
-具体的にはどのような研究開発なのでしょうか。
生コンというのは、セメント、砂、砂利、さらに混和剤という品質を調整する材料を水で練り混ぜたものですが、その配合情報、料理でいうと“レシピ”に当る情報をICタグに書き込み、生コンに混ぜて、ICタグリーダーで読み取れるようにすることで、使用された生コン、ひいては建設物のトレーサビリティを図ろうとしています。その配合は用途などに応じ規定されており、規格あるいは設計通りに適正な配合となっているかどうかの「見える化」を実現することが、品質維持・向上に役立つと考えました。
-研究開発ではどのような課題に取り組まれていますか。
ICタグは周波数帯とアンテナの出力等によって、その読み取り精度が変わります。この研究では生コンに混入させるという特殊性から、水や金属の影響を受けにくいICタグと、極力長距離で読むための高出力なアンテナの組み合わせを模索してきました。実用に向けてはICタグの価格も大きな課題になります。
-実用に向けて今後の取り組みをお話ください。
生コンについての新しい話では、JISの改正によりトレーサビリティの必要性が高まっています。このような生コンを巡る状況の中でRFIDの仕組みが、このトレーサビリティとの親和性が高いところを考えると、RFIDを使用した良いシステムが提案でき、その必要性が社会的に認知されれば、急速に普及する可能性があるのではないかと期待しています。現在はまだ、研究段階であり、実用に向けてより多くの実証実験を行い、データを蓄積していく必要があると考えています。
-他分野への展開も試みられていると伺っています。
生コンで蓄積されたRFIDを活かし、重要書類、資材、リース機器、レンタル機材、薬品などの資産管理システムへの展開に取り組んでいます。管理したい資産に、通信距離を確保できるUHF帯(952~954MHz)のICタグを貼り、このICタグではキー情報のみを保持させ、キー情報に紐付く資産情報はサーバで管理しようとするものです。顧客が保有する資産の登録から貸出(出庫)、返却(入庫)、廃棄、あるいは棚卸や捜索といった機能をサポートしたいと考えています。
-資産管理ならではの課題や要望もあるのでしょう。
ICタグからのキー情報の読み込み・書き込みについてはハンディ端末(ICタグのリーダ・ライタ)で行い、そのハンディ端末とサーバ間の通信は、無線LANの使用を想定していますが、屋外の広い場所や、厚い金属の壁で覆われた金庫室の中など、電波が届かないところでの利用も視野に入れた展開を考えています。また、将来的には顧客の既存システムとの連動、たとえば、顧客の在庫管理システムと資産管理システムとの連動や、顧客の受発注システムとの連動等、顧客のニーズに合わせたカスタマイズにも柔軟に対応していきたいと考えています。顧客の要望をシステムで実現することは、まさに当社の得意とするところです。
-RFIDの活用にはまだまだ工夫の余地、可能性があるということですね。
まさにそうだと思います。現時点では社員と協力会社のスタッフ10名ほどでチームを組んでRFIDの活用に取り組んでいますが、日々、新しい課題や試みていきたいことの発見の連続です。今後は、より多くの分野に資産管理システムを展開していくこと、そして他のシステムとの連携を通じてノウハウを蓄積し、その活用・導入の場をもっと様々な産業や生活のシーンに広げて行きたいと考えています。RFIDを通じてお客様の業務に重要な部分を支えられるようになりたいと思います。
≪関連リンク≫
⇒ RFIDシステム化ソリューション















